BKP治療とは?
Balloon Kyphoplasty【バルーン
カイフォプラスティ】(略して「BKP」と呼ばれています)は、
1990年代にアメリカで開発された治療法です。
脊椎圧迫骨折の治療法BKP
Balloon Kyphoplasty【バルーン カイフォプラスティ】(略して「BKP」と呼ばれています)は、1990年代にアメリカで開発された治療法です。
この治療法は、世界で160万件以上の脊椎圧迫骨折に対して行われています。日本では2011年1月より公的保険が適用されるようになりました。
「BKP」とはどんな治療法ですか?
脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体を、骨折前の形に近づけ、安定させ、早期に痛みを軽減することにより生活の質(QOL)を向上させて、骨折前の生活に戻りやすくすることを目的とした治療です。
この治療法には、バルーン(風船)状の手術器具や医療用の充填剤(骨セメント)を使用します。通常、手術時間は約1時間以内で、傷口は1cm弱(2か所)です。
BKP治療の手術方法

BKP治療の手術は全身麻酔をして行います。
ベッドにうつぶせに寝た状態で背中を2ヶ所(1㎝程度)切開し、
手術にはレントゲンの透視装置を使用します。

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背中から針を刺入し、骨折した椎体への細い経路を作ります。そこへ小さな風船のついた器具を入れます。
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椎体の中に入れた風船を徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。
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風船を抜くと、椎体内に空間ができます。その空間を満たすように、骨セメントを充填します。
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手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。
BKP治療の手術対象となる方
骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折の患者さんで、保存的治療によっても背中の痛みが改善されない方がBKP治療の対象になります。
ただし、骨折した骨の数や形、全身の健康状態等によっては、 BKP治療を安全かつ有効に行なうことができないためにBKP治療の対象とならない場合もあります。
BKP治療の手術等に伴うリスク

Balloon
Kyphoplasty(BKP)治療は、専門のトレーニングを受けた先生が手術をされますが、ほかの手術と同様、患者さんの状態により手術を受けることによる一般的なリスクや、骨セメントを使用することにより発生するリスクなどがあります。
また、他の骨も折れやすくなっている場合には、更なる骨折を防止するための骨粗しょう症の治療やコルセット治療が必要です。
詳しくは、担当の先生にご相談ください。
退院後の生活

退院後は、手術後の骨の状態を診るため、定期健診を行います。
手術を受けたところや、その周辺に痛みが再発した場合は、すぐに担当の先生にご相談ください。
また、骨粗しょう症の患者さんは、脊椎圧迫骨折の手術とは別に、骨粗しょう症の治療と定期的な健康チェックが必要となります。