多発性骨髄腫の基礎

多発性骨髄腫の患者さんは、がん化した骨髄腫細胞と役に立たない抗体(M蛋白)が増加します。ご高齢の方で見つかることが多く、年間10万人に5人程度新たに発見されます1)。診断には臨床検査、骨髄穿刺、画像検査などが必要です(図1)。一般的に骨髄腫細胞の増加はゆっくりで症状があらわれるまで時間がかかることが特徴です。症状としては、骨の痛みや息切れや尿が出にくくなり全身がむくむ、全身倦怠感が出るなどの症状が出ます。かなり進行して症状が出ることがあり、突然腰痛が出たり、骨折したりします。若年者で条件が整った患者さんは自家末梢血幹細胞移植を行いますがご高齢の方では抗がん剤を用いた外来での治療が中心になります。現在の医学では根治することは困難ですが、最近では良い抗がん剤が開発されており、長期にコントロールできるようになってきました。

1) 国立がん研究センター がん情報サービス


図1:多発性骨髄腫(MM)診断のための検査

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